
萩原・ヤコブチッチ アネット
生まれは三世代にわたるチェリストの家系。ソリストおよび室内楽奏者として、ヨーロッパ、アメリカ、ア
ジア各地で国際的に活躍している。近年および今後予定されている主な活動として、ザルツブルク祝
祭大劇場でのモーツァルテウム大学管弦楽団との共演、ルツェルンKKLでのノイエス・オーケストラ・
バーゼルとのソロ出演、藤家渓子およびクリストファー・タイラー・ニコルによる新作協奏曲の初演、スイ
スでのワインベルク「チェロ・コンチェルティーノ」、ホンジュラスでのチャイコフスキー「ロココの主題によ
る変奏曲」、ミューザ川崎シンフォニーホール(日本)にてジェラール・プーレと共演したブラームス二重
協奏曲などが挙げられる。
音楽による文化交流と社会的貢献にも熱心で、伝統的なコンサートホールの枠を超えて世界各地の地
域社会に音楽を届ける活動に取り組んでいる。2024〜2026年には、五嶋みどり率いるICEP
「ミュージック・シェアリング」の一員として弦楽四重奏でネパール、カンボジア、日本を巡り、アウトリー
チ活動、教育プログラム、異文化交流に積極的に携わっている。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団アカデミー在籍中、同アカデミー主催のフリッツ・ライターマイ
ヤー・コンクールに優勝し、2年間にわたり同楽団の演奏会に参加。クリスティアン・ティーレマン、リッカ
ルド・ムーティ、アンドリス・ネルソンス、ズービン・メータなど著名指揮者のもと、ウィーン楽友協会、ベ
ルリン・フィルハーモニー、サントリーホール、カーネギー・ホール、プラハ・ルドルフィヌム、コンセルトヘ
ボウ、シャンゼリゼ劇場など世界主要ホールで演奏。また、在学中にアンサンブルのメンバーとしてアメ
リカ、オーストリア、日本で室内楽公演にも出演した。
ニューイングランド音楽院(ボストン)ではローレンス・レッサーに師事し、クリーヴランド弦楽四重奏団
およびジュリアード弦楽四重奏団のメンバーから指導を受けた。所属した弦楽四重奏団では、プラウマ
ン国際室内楽コンクールおよびフィショフ国際室内楽コンクールで上位入賞を果たしている。
その後、ザルツブルクではクレメンス・ハーゲン、ベルリンではニコラ・アルトシュテットのもとで研鑽を
積んだ。さらに、ゴーティエ・カプソン、スティーヴン・イッサーリス、イヴァン・モニゲッティ、フィリップ・
ミュラー、マキシム・ヴェンゲーロフらによるマスタークラスを通じて芸術表現をさらに深めた。ラヴェル
音楽祭、カタルーニャのパウ・カザルス音楽祭、ラヴォー・クラシック、グシュタード・メニューイン音楽祭
など著名な音楽祭にも多数出演している。
現在、ジャコモ・ガヴェッリがペルージャで製作した1740年製のチェロで演奏活動を行っている。